昨年の中頃までは、米国の金融不安によってニューヨーク市場でダウが500ドル前後、
また、東京市場でも
日経平均株価が500円前後の値幅をつけて乱高下する場面が珍
しくなかったのですが、今ではだいぶ両市場とも落ち着きをみせています。
これはけっして金融不安が沈静化に向かっていることが原因なわけではなく、ファンド筋
による執拗な空売りによって相場を操作する動きを抑えるために
空売りに対する規制が
両市場にて設けられたことが大きな要因としてあげられます。
通常であれば
ニューヨークダウや、日経平均株価がこれほどまでの値幅をつけて乱高
下することは年に数回あるかないかのことです。
それが一時期は毎週のように繰り返されていたわけですから、いかに市場全体が混乱し
ていたかが伺えます。基本的に
投資家を保護するために空売りに対する規制が設けられ
たのは良いことだとは思いますが、市場の流動性を考えると考えてしまいます。
日経225オプション取引でプットの投資でかなり大きな利益をあげることができた
投資家
の方も多かったわけですが、ルールが変わるとこれまで有効だった投資手法が、ある
日を境に突然使えなくなることも投資の世界ではけっして珍しくありません。
大きく影響するのは個人投資家よりもむしろ大口の投資家の方です。大きなポジション
を建ててスピーディに利ザヤを獲得するのが仕事なわけですから、ルールが変わることに
よって投資戦略を練り直さなければならなくなります。
日経225オプションのようなファンドや機関投資家のようなプロと呼ばれる投資家が多く
取引している市場でも当然のことながら影響します。ルール改正が決まった時と、実施
される数日前には混乱するので十分注意する必要があります。
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